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食事は命を支えるものですが、それは健康な人にとってはゆるやかに感じる事柄かもしれません。
しかし、病院での食事は患者さんの病状・病態と直結するため、それぞれに適切に提供することが必要となります。また、栄養士としては栄養学の観点から快復や状態維持のため、そして精神的に支えとなるような食事を提供する必要があります。病院で務める栄養士には、大きな責任がありますが、その分やりがいも大きいでしょう。ここでは、そんな病院での栄養士の仕事について解説します。
上述のように、病院に務める栄養士の仕事は、患者さんの健康維持・快復をサポートする食事を提供すること。医師の指示のもと各患者さんに合った食事を提供することにあります。さらに、栄養士が行なう栄養指導は診療報酬に加算できるため、病院の収益に貢献できる、といった側面も併せ持ちます。
ちなみに、公益社団法人「日本栄養士会」のレポートでは、「第37回 食事療法学会レポート」として、栄養士による食事面でのサポートについて、Vol.1から継続して紹介されていますので参考にしてみてください。
参考:「平成30年度診療報酬改定の背景と概略を、厚生労働省担当官が詳説!
~第37回 食事療法学会レポートVol.1~」
https://www.dietitian.or.jp/features/category/20180323.html
また病院という場所から、その仕事の適正は管理栄養士が該当しますが、栄養士は調理のサポートや献立の作成、食材の発注といった業務も行うため、『食事を提供する』といった患者さんの満足度を高めるサービス面を担当するといった部分もこなしますので、管理栄養士でも栄養士でも、病院や患者さんに欠くことのできない非常に重要なポジションとなります。栄養の知識と調理、そしてサービスといった一連の流れも身につきますので、オールマイティーな技術が身につくと思います。
基本的に、入院している患者さんや外来の患者さんの栄養管理を行ないます。
入院患者へは病院食や退院後の栄養管理・指導を行ない、外来の方には、例えば肥満、高血圧の治療や改善の一環として食生活や栄養の指導を行ないます。
また、医師や看護師といった病院関係者や一般の方が利用する食堂では、栄養学にもとづいた、健康的な献立の開発や実際に厨房に入っての作業などもあるようです。
上述にもありますが、病院で働く栄養士の仕事は、基本的に患者さんの症状・病態に合わせて食事のメニューを考えます。例えば、高齢者の方や血圧の高い方の場合は減塩食、手術後には流動食というように医師の指示をもとにして考えます。
また、入院患者へは各個人に合わせた食事を提供するほか、長期入院していて院外に出られない患者さんには、四季折々の食材をメニューに加えたり、クリスマスや正月、ひな祭りといった行事食も提供し、食を通じて栄養面だけではなく、精神面のケアもすることがあるようです。
このように病院食は治療をサポートするだけではなく、入院中もストレスを感じさせないように、食事の調理方法や食材、見た目などの工夫を行って入院中の食事を楽しんでもらうことも必要となります。
ところで、病院では「栄養士」と「管理栄養士」の仕事の範囲は異なっているため、ご自身が持っている資格で何ができるかを把握しておくことも重要です。
栄養士の仕事は患者への献立作成のほかに、厨房で食材の調理や補助、発注や管理などがあります。
管理栄養士は、専門的な知識がありますので患者の栄養管理と指導などを行ないます。薬剤師や看護師、作業療法士などと同様のコメディカルスタッフとして、栄養の面から患者をサポートします。また、それぞれの専門分野とチームを組んで患者をサポートすることもあります。
ちなみに近頃の傾向としては、上記のように仕事の範囲の違いから、栄養士には食事の管理を、管理栄養士には栄養指導や患者野サポートへと役割を割り振ることで、それぞれの得意分野に専念できるような環境を整えているところも多いのだとか。
病院なので、当然、医師や看護婦、作業療法士などの医療従事者との仕事が中心となります。しかし、病院の厨房で作業することもありますので、調理師や調理補助、配膳担当の方などと働くことになるでしょう。
病院で働いた場合、栄養士のお給料や待遇はどのようなものなのでしょうか。インターネットに掲載されている情報から一般的なものを紹介します。
2019年7月現在、求人ボックスやindeedなど求人サイトに掲載されている情報を確認すると、病院で募集している栄養士の給料は、おおよそ、正社員では17〜30万円、契約社員だと23〜35万円、パート・アルバイトだと1500円〜というところが一般的でした。
また、夏季休暇や育児休暇、家族手当や住宅手当、経験による優遇などもあり、各病院によって条件が異なりますので、希望する勤務先の求人情報は確認が必要です。なお、賞与に関しては、年の2ヶ月分〜というのが一般的のようです。
シフト制を導入しているところが多く見られます。
例えば、朝〜夕方、夕方〜夜というように2交代制で、担当している業務によって、どちらかになるようです。一般的には、厨房での業務が主となる栄養士はこちらがあてはまり、栄養管理や栄養指導などを行う管理栄養士の場合は、朝から常勤となっている病院がほとんどだそうです。
休暇については、一般的な企業とあまり変わりはなく、入社後6ヶ月で10日ほどの有給休暇が取得できるようになりますが、こちらも勤める病院、もしくは委託先で異なりますので確認して下さい。ちなみに、勤務はシフト制なので休日を取得する際は、仕事の兼合い、タイミングなどを考えて周囲のスタッフと調整しているようです。
勤務先の病院によって違いはありますが、正社員だと社会保険完備、交通費支給、住宅手当などが求人情報で確認できます。事前に確認しておくとよろしいでしょう。
栄養の知識はもちろんのこと、医学や薬学の知識も必要となります。また、様々な専門のスタッフと連携して患者さんをサポートしますから、コミュニケーション能力も求められます。一方で、厨房を職場とする人は、上記のスキルのほかに、食事への探究心や調理技術、また衛生知識も必要不可欠です。
社員食堂では、程度の差こそあっても基本的には健康な方を対象とした食事を提供します。例えば、血圧が高めの方には塩分を控えたもの、肥満の方には脂肪・脂分の少ないものというように。しかし病院では、食事を提供する相手が病気に罹っている患者さんとなるため、「志向ありき」「何かの予防」というのではなく、「病気の治療」の一環としての食事の提供となりますので、社員食堂などの民間事業体とは違った配慮が必要となります。
責任重大なお仕事ですが、担当した患者さんが快復していく様子を間近で見ることができますから、喜びはいっそう大きいのではないでしょうか。
人を栄養面や食事からサポートしたい。また、自身の経験から病院食をもっとおいしくしたい、という想いがある方は病院での就職が向いているかも知れません。