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こちらの記事では、近年注目を集めている「フードテック」について解説します。フードテックの概要や注目されている理由、栄養士とフードテックの関わりについてまとめました。
近年耳にすることが多くなってきた「フードテック」。ここでは、フードテックの概要や例をご紹介します。
フードテック(FoodTech)は、食品(Food)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉で、食品業界においてテクノロジーを活用して新たなアプローチやイノベーションを実現する分野を指します。食品の生産、供給、調理、流通、消費に関わるさまざまな段階で、テクノロジーを導入することで効率化や改善が図られ、新しい価値が創出されることを目指すものです。
経済産業省では、フードテックを「サイエンスとエンジニアリングによる食のアップグレード」と表現しています。このように、フードテックは食分野におけるさまざまな可能性を広げる「食のDX」といえるでしょう。
具体的なフードテックの取り組みや、関連のあることがらには以下のようなものがあります
テクノロジーを活用したオンラインプラットフォームを通じて、食品の注文や配達を行うサービスが広まっています。配達アプリやウェブサイトを通じて、顧客は簡単に食品を注文し、自宅に届けてもらうことができます。
ブロックチェーン技術を用いて、食品の供給チェーンを透明化する取り組みが行われています。生産地や製造過程の情報をトレーサビリティとして記録し、消費者に正確な情報を提供することが可能となります。
人工知能(AI)や予測分析を活用して需要予測や在庫管理を改善し、無駄を削減する努力をしている食品企業があります。これにより、食品ロスの削減や効率的な製造・供給が実現されます。
ロボティクス技術を応用して、食品の配達を行う自律型ロボットが登場しています。(ネコ型配膳ロボットなど)これにより、効率的かつ迅速な食品の配達が可能になります。
データ分析や遺伝子情報を活用して、個々の消費者のニーズや健康状態に合わせたパーソナライズされた食品や栄養アドバイスを提供する取り組みが進行中です。
これらのテクノロジーとアプローチを組み合わせることで、食品業界は効率性、持続可能性、消費者のニーズへの適応性などを向上させることができるようになります。
なぜ現在、フードテックが注目されているのでしょうか。ここでは、フードテックが注目される理由についてさまざまな面から見てみましょう。
フードテックが注目されている理由のひとつとして、「世界における人口増加と食糧危機に対応するため」という点が挙げられます。2022年には世界人口は80億人を突破しており、この勢いのまま増加すると仮定すると2058年には100億人に到達すると考えられています。このように、急速に人口増加が進むと問題になるのが「食糧問題」であり、今以上に食料の確保への取り組みが必要となってきます。
国連においても、今後増加が予想される人口に対する食料確保に向け、世界的に食糧と農業のシステムの改革が必要と考えています。このような今後必要とされる食糧生産システムの改革に対応するために、フードテックが注目されているといえるでしょう。
日本だけではなく、さまざまな地域で食生活の欧米化が進んでいるといわれており、今後は畜産物と飼料のための穀物などへの需要が高まっていくと予想されています。
しかし、例えば肉を生産する上で排出される温室ガスのように、家畜肉の生産は環境負荷が大きい点が問題視されています。これは、飼料となる穀物などの生産や輸送の際に排出される二酸化炭素に加え、家畜の消化器からメタンガスが発生するなどの理由が挙げられます。
このような問題に対応するのが、フードテックによる代替肉。これは植物由来のたんぱく質により代替肉を製造するものであり、環境負荷を抑えつつ必要となる食料の供給が可能である、といったメリットがあります。
食の多様化に対応できる点もフードテックが注目される理由です。例えば菜食主義の人の場合は肉や魚を口にしないものの、何らかの形でたんぱく質を摂取する必要があります。このような場合に植物由来のたんぱく質で作った代替肉などを取り入れることによってたんぱく質の摂取がしやすくなります。
そのほかにもダイエットをしている人などに向け、栄養バランスを保ちながらもカロリーコントロールが可能となるような完全食や機能性食品についても開発が行われています。このように、フードテックによって人による異なる食のニーズに応えることで、新たな食のビジネスチャンスにつなげられるといえます。
現在食品業界においては、人手不足も問題となっています。生産現場だけではなく、加工や調理などさまざまな場面で人手の確保が難しくなっています。このような問題に対しては、フードテックによって加工や調理などを自動で行えるロボットを開発することで対応できるようになるでしょう。少人数で効率の良い食糧生産方法の確立によって人手不足に対応することがフードテックに期待されているといえます。
今後ますますフードテックが注目される中では、例えば個人の健康データや、嗜好、生活スタイルなどに合わせた「食のパーソナライズ化」といった部分や、AIによって提供される献立レシピ、栄養管理アプリなどが栄養士と関わりが深い分野となってくるでしょう。実際に、その人の健康状態や持病、身長や体重などを登録すると、栄養士が監修した料理などをAIが提案するアプリの開発も行われています。
このようにフードテックによって食の多様な需要に対応したり、社会が抱える課題の解決を目指すことにより、新たなビジネススタイルや食のスタイルを生み出していくと考えられます。