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―栄養士になろうと思ったきっかけを教えてください
中学生のときにバスケ部に所属していて、普段の練習だけでなく、もっと何かできることがないかと考えたときに、バスケットの本の裏に、栄養管理のコラムがあって、これなら自分にもできるんじゃないかと思って、食事のメニューを立て始めたのがきっかけです。そのときからスポーツ栄養士になりたいなと思って、勉強を始めました。
―メニュー決めはどのようなことをしていたのですか
普段の食事に何を食べるか気を付けるのはもちろんですが、試合前・練習前に何を食べよう、飲もう、何分前に何を摂取したらパフォーマンスがあがるのか、時間とメニューを逆算してました。
―中学生のときにそこまで?
楽しかったので、苦ではなかったです。色々なことを試していました。周りにそこまでしている人はいなかったですが(笑)。
―となると大学の進路を決めるときも迷いはなかったわけですか
いや、実は大学の進路はとても悩んで、今まで部活と勉強しかしてこなかったので、親にも相談して、一回ほかの勉強をしてみようと思い、政治経済学部の大学に通いました。
それでも栄養士になりたいという気持ちがあったら、もう一回大学を受けなおして、管理栄養士の資格を取りにいってもいいよと親が言ってくれたので、大学を卒業してから改めて、栄養士の資格が取れる大学に入学しました。合計8年間も通ったので親には感謝してもしきれないです。
―栄養士への思いが強かったわけですね
はい、栄養士の夢は諦められなかったですね。大学に入りなおしてからは、迷いなく栄養士の勉強に没頭しました。
―1日の仕事の流れは
―POPの作成とはどのようなことをしているのですか
選手によって好き嫌いがある選手が多かったり、食事を残す選手がいたりするので、食べる意味を分かってもらうため、こんな栄養やエネルギーがあるよというものがあればいいかなと思って作りました。
―効果はありましたか?
うーん、微妙な感じですかね(笑)。ただ、選手やチームスタッフの方がちゃんと読んでくれている実感はあります。食事を残すと謝ってくれるようになりました。それがちょっとだけ前進かも。
―これからですね!献立の作成のタイミングはどのようになっていますか
1週間ごとに決められるときは決めます。ただ、試合の勝敗によって予定が常に変わっていくので、ギリギリになることが多いです。その中で選手からの「あれが食べたい」「苦手だ」という要望や意見があれば、なるべく対応できるように変えていってます。
―選手の体調管理でどのようなことを心がけていますか
食堂では雑談でもいいからなんでも話しかけようと思っています。そこから風邪をひいて食欲がないとか、親知らずが痛くて何も食べられない、といった情報を得て、対応するようにしています。
―とにかく積極的な会話が大事なんですね
そうですね。普段から話していると、逆に選手の方から「口内炎ができてるから辛いものが食べられないんです」とか、体調を伝えてくれるようになりました。
―そのような意見を取り入れて特別なメニューを作ったりするのですか
次の日の朝食の調理師さんに、この選手はおかゆにしてほしいといったことを伝えるようにしています。
―最初から選手とはうまく話せていましたか
最初は全然受け入れてもらえなかったんですけど、「今日暑いですよね」とか「プロテインは何飲んでるんですか」とか、小さなことから話しかけるようにしていたら、心を開いてくれるようになりました。
―普段どのような方と関わりが多いですか
選手はもちろん、監督やトレーナーさん、コーチ、マネージャー、調理師さんとパートさんです。
―その中で栄養関係で一番連携を取っている方はどなたになりますか
トレーナーさんとの連携はかなり大事です。夏場は特に食欲が落ちる選手が多いので、食べたご飯の量をトレーナーさんに報告して、体重が落ちないように気を付けています。
あとは普段の食事をしっかりと観察して、残す選手がいたら、トレーナーさんと一緒に栄養の必要性についてお話しすることがあります。
―スポーツ栄養士として求められる知識や能力は何ですか
スポーツ選手に特化した栄養の知識が必要です。一般の人よりも、スポーツ選手はより栄養を多く摂取しなくてはならないので、一般の方とは違うエネルギーの計算や数字を知っていないと、適切なものを提供できないんです。
―職場の雰囲気はどうですか?
皆さん明るい方が多くて、人に恵まれていると思います。所長をはじめパートさんも良い方で、職場環境で困っていることがないくらい楽しいです。
選手も監督もトレーナーも皆さんがとても明るくて気さくな方が多いので、この人たちのために役立ちたいと自然に思うようになりました。
―その気持ちすごく素敵ですね。実際にやりがいを感じるときはどんなときですか
まずはやっぱり、チームが試合で勝ったときです。あとは選手の「体重が落ちなくなった」とか、「この前の料理が美味しかった」という言葉を聞くと、やってて良かったなと感じます。
どんなに疲れているときでも、食事中の選手の「美味い!」の一言ですべてが吹き飛びます。
―逆に大変だなと思うところは
スケジュールが変わりやすいところですね。試合の勝敗や天気次第で、食事の提供内容が変わることもあります。そうなるとパートさんへの連絡もしなくてはならないので、大変ですね。
もちろん食材の納品もしているので、それが無駄にならないように、メニューを立て直したりしなくてはならないので、そこに難しさを感じています。
―臨機応変な対応が必要ということですね
はい、今は試合の期間になると、あとのことを予想してどんな状況でも対応できるように、メニューを立てられるようになりました。
―やはりお休みの日も不定期なのでしょうか
はい、特に土日休みというわけではありません。毎月のチームのスケジュールをもらって休みの日を決めています。
―そんな中でお休みはどのように過ごしていますか
もともと運動が好きなので、走ったり歩いたり、スーパー銭湯に入ったりして、心と体をリフレッシュしています。あとは、友達と予定を合わせて遊びに行きます。
―今後はどのようになっていきたいですか
まだまだ勉強不足なので、いろいろな文献を読んで知識を深めて、チームスタッフの方たちと連携を取りながら、このチームを強いチームにしていきたいと思っています。
また、強いチームだけでなく、良いチームの雰囲気を作れるように、楽しくて美味しい食環境を作っていきたいと思っています。
―まずはチームのために頑張りたいと
もっと先のことを考えると、尊敬している方たちに今までたくさんのこと教えていただいたので、その教えを、後輩やこれから栄養士になりたいと思っている方たちへ伝えていきたいです。
―最後にこれから栄養士を目指す方たちへアドバイスをお願いします
スポーツ栄養に限らないのですが、社会に出たらいろいろな方たちと関わってくるので、コミュニケーション能力が大切です。学生時代のうちに色々な人と話す機会があったら、積極的に行動に移すといいのかなと思います。
学校での勉強も大事なんですけど、なるべく外に出て、実際の現場を見る機会を増やしてみるのも良いのではと思います。
―本当に栄養士の鑑(かがみ)のような存在ですね。本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
栄養士になる夢を諦めきれず、一旦一般の大学を卒業してから、改めて栄養士の資格が取れる大学に通いなおした、というエピソードにビックリしました。それだけの思いがあるからこそ、選手一人ひとりに向き合い、選手の健康管理やチームの勝利のために、努力し続けることができるのだなと思います。
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株式会社グリーンハウスは、社会人スポーツチームを持つ企業と契約し、多くのスポーツ選手の健康と栄養を支えています。創業は1947年。慶應義塾大学の学生食堂からスタート。現在、国内・海外2500店舗以上を展開。企業、病院、官公庁等から委託を受け、日本はもちろんアジアで食と健康をプロデュース。多くの栄養士を抱え、創業時からの「人に喜ばれてこそ会社は発展する」を理念として、日本の「食」を支えている。
オリンピックを目指すアスリートやプロスポーツ選手の健康管理や食事に関するサポートや自己管理能力を高めるお仕事、それがスポーツ栄養士です。
スポーツ栄養士は、監督やトレーナーと連携をしながら競技者のサポートをしていきます。ここではスポーツ栄養士についてご紹介します。
スポーツ栄養士は、トップアスリートから健康を目的としたスポーツ愛好家にいたるまで、スポーツをする方の栄養面を支えるお仕事です。競技者のサポートを栄養士一人で行うのではなく、監督やコーチといった方と連携を取りながらすすめていきます。
スポーツ栄養士になるには、公益社団法人日本栄養士会が認定している、管理栄養士であることなど、いくつかの条件がありますが、アスリートを栄養面からサポートをするとてもやりがいのあるお仕事といえるでしょう。
また、スポーツ栄養士は健康増進を目的に通う民間のスポーツジムでも需要が高くなっています。健康的な生活を送るにはとても重要な運動と食事。スポーツ栄養士はその栄養面を支えるとても大切なお仕事なのです。
スポーツ栄養士は、プロスポーツ選手の現場や民間のスポーツジム、フィットネスクラブ、などでお仕事をするのが一般的です。ほかにもアスリート個人と契約をして専属栄養士として活躍しているスポーツ栄養士もいます。
スポーツと一口に言ってもさまざま。持久力が必要なマラソンやトライアスロン、陸上長距離走。そして瞬発力とパワーを必要とするテニスやバレーボールなど、スポーツによって必要となる栄養素は少しずつ違ってきます。
スポーツ栄養士は基本的な栄養の知識に加えて、それぞれのスポーツの特徴をよく研究し、スポーツに特化した栄養学を学ぶなど、多岐にわたる能力を必要とされます。
トップアスリートをはじめとする競技者が、最高のパフォーマンスを発揮できるように、栄養面から支えていき、運動後には疲労が体に残らないための指導もしていきます。
また、トレーニング中の水分管理や3食すべての栄養管理、そして食事以外にも効果的なサプリメントの摂取方法といったアドバイスも行います。
スポーツ栄養士は、スポーツを行っている現場にいることもあるのですが、実際には競技者の食事内容から栄養価を計算したり、献立を考えたりするのでデスクワークが多いようです。
ほかにもダイエットと健康維持を目的としたフィットネスクラブや病院のリハビリの現場など、スポーツ栄養士の活躍の場はまだまだ広がっています。
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創業は1947年。慶應義塾大学の学生食堂からスタートした株式会社グリーンハウスは、全国の企業、病院、官公庁などから食堂経営の委託を受け、多くの栄養士が勤務しているコントラクトフードサービス(給食)会社の大手。創業者の田沼文蔵氏は昭和49年に設立された、(一財)日本給食サービス協会の初代会長を務めるなど、委託給食という分野においての草分け的存在です。