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「ドラッグストア(薬局)に栄養士」というイメージがあまりないという人も多いのではないでしょうか。しかし最近は、ドラッグストア(薬局)の栄養士の求人が増えてきており、積極的に栄養士を採用しているところもあります。
ここでは、ドラッグストア(薬局)の栄養士が担う仕事の内容と、必要なスキルなどをお伝えします。
ドラッグストア(薬局)に来店する地域のお客さんに対して、主に食事・生活習慣の面でアドバイスをすることで、お客さんが抱えていた健康面における悩みの解決に貢献します。
薬の用意や服薬指導をする薬剤師や、OTC医薬品(Over The Counter:対象は一般用医薬品)を提案販売する登録販売者とは別の役割として、管理栄養士が在籍しています。
具体的には、次のようなサポートを実施します。
血圧や体組成計などから得られたデータに基づき、お客さんの生活習慣に有効なアドバイスをします。
体重の減量が必要だけど、自助努力だけではなかなか痩せられないといった悩みをもつお客さんや、特定の疾病に対して食生活の面から日常的な予防策を必要としているお客さんへのアドバイスなど、栄養士ならではの適切な食事指導を行います。
八王子のある薬局では、来店するお客さんに対し、栄養士がメインとなって有料・無料での各種測定サービスを行っているそうです。具体的な測定内容は次のとおりです。
血圧計や体成分測定器、骨密度測定器、指先で測定できる心電計、血管年齢測定器などを設置。測定結果に応じ、栄養士が無料で健康アドバイスを行います。お客さんに不足している成分・栄養素が見つかれば、食事指導とともに店内で販売されているサプリメントを紹介することもあるそうです。
簡易血液検査を通じ血糖値や脂質を測定します。希望する方には、口腔内環境チェックも行い、虫歯菌などの状況を確認することもあります。これら検査においては、栄養士に加えて薬剤師も同席します。
気になる症状に対して、食事による予防や改善策を提示することで、お客さんの悩みに応えます。例えば、「減塩のコツ」などといった、誰もが気になっていたけど実際にどのように努力したらいいか分からない点に対して、改善に向けた内容を教えてくれます。
また栄養指導に加えて、健康維持に必要な運動指導を行うこともあります。人の体の健康のためには、栄養と運動を切り離すことはできないからです。
例えば、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が主催している資格に「健康運動指導士」というものがあります。この資格を取得することで、栄養と運動の両面から指導することが可能になり、栄養士としての仕事の幅が格段に広がっていくでしょう。
来店が難しいお客さんに対して、自宅訪問のうえで食事量やその内容が適正かどうかをヒアリングを通じて確認し、改めて相手の状況状態に適した食事内容を提案します。
なかには寝たきりになってしまっている人や、身体の不自由さから移動が困難な場合もあるため、普通の食事ができない場合もあります。相手に合った食事の方法やメニューを選んで伝えてあげるのも栄養士の大事な役割のひとつです。
寝たきりになってしまった人の中には、食事量が減って痩せていく人や、逆に体を動かさなくなったために肥満になっていく人、嚥下障害で食べ物が詰まりやすくなった人など、食事や栄養に関連した悩みを持つ方が多くいます。
これら悩みを抱えている人たちの栄養状態の改善を目指し、ご本人はもとより、ご家族やヘルパー、ケアマネージャーなどと連携して食事を工夫・提案するのが、訪問栄養士による大切な仕事となります。
ドラッグストア(薬局)内でも、薬剤師と栄養士が協力して、病気と食生活に関する話題提供や相談会も実施しています。店舗によっては週に1回のペースだったり、月に1回だったりと、開催頻度には特段の定めはありません。
相談会の内容は、ドラッグストアの企画やお客さんの要望に応じてさまざま。よく見られる相談会としては、次のようなものがあります。
その場で血圧を測り、高血圧の場合には減塩などの適切な食事指導を行います。
健康的にダイエットを進めていくための食事指導を、専門的な視点から行います。
健康診断の結果を持参した方に対し、それぞれの数値の意味を説明し、以後の食事の注意点などを指導します。
糖尿病や脳卒中、心臓病などを誘発することがある生活習慣病。リスクの高い方に対し、予防のための食事指導を行っています。
子供の食事に関してのお悩みがあれば、専門的な視点からアドバイスを行います。
ドラッグストア(薬局)の栄養士は年々、その役割の重要性が大きくなってきています。
2017年11月に、厚生労働省では「健康サポート薬局の現状について※1」の協議をするとともに、健康サポート薬局※2に関する認識を、関係者と共有しました。
健康サポート薬局は、薬に関するあらゆる相談に応じてくれる「かかりつけ薬剤師・薬局の機能」に留まらず、薬以外の健康に関する相談にも応じてくれる「健康サポート機能」が加わったドラッグストア(薬局)を指します。
次の一定基準を満たしていることが条件となります。※3
1)かかりつけ薬局の基本機能
・服薬情報の一元的かつ継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導
・24 時間対応
・在宅対応
・かかりつけ医を始めとした医療機関等との連携
2)健康サポート機能
・地域における連携体制の構築
3)常駐する薬剤師の資質
4)設備
5)表示
6)要指導医薬品及び一般用医薬品、介護用品等の取扱い
7)開店時間
8)健康サポートへの取り組み
また、推奨される取り組みとして、次の内容があります。
・薬剤師による薬の相談会の開催や禁煙相談の実施
・薬剤師による健診の受診勧奨や認知症早期発見につなげる取組
・医師や保健師と連携した糖尿病予防教室の開催
・管理栄養士と連携した栄養相談会の開催
厚労省の資料によると、この健康サポート薬局は「地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する薬局」と定義され、その内容については様々な取り組みがあるようです。
これまでに健康サポート薬局の届け出は、全国で567件※に上っています。自治体別の内訳の一部を件数とともにご紹介します。
身近に健康サポート薬局があれば、何度か訪れてみて栄養士がしている仕事を確認してみてもいいかもしれません。
他にも、栄養士としての業務だけではなく、接客やレジの対応、医薬品、健康食材やサプリメント、日用品などといった、ドラッグストア(薬局)内の商品全般を対象に、品出しや棚卸しなどの店舗運営に関する業務を任されることもあります。
ドラッグストア(薬局)で栄養士として働き、地域のお客さんにとって相談ができる栄養士といった認知が進むと、お客さん一人ひとりの顔がみえる形で相談にのる機会が多くなります。お客さんの、普段の生活習慣や食事内容をヒアリングし、適切なアドバイスをすることが重要になります。
今までに習得した基本的な栄養知識に加え、食事(食品)とサプリメント(栄養補助食品)の相互作用を知っておく必要があります。また、訪れるお客さんが抱える病気によっては、食事制限が必要な場合もあります。その際に栄養士として食事のアドバイスをすることも大切な仕事です。
自分が貢献する相手が訪店するお客さんで、継続的で直接的な関わり方になるため、課題の改善結果やお客さんが喜ぶ姿もダイレクトに伝わってきます。相手との距離感を近くして、実感を深めながら仕事をしたい栄養士にはピッタリのお仕事といえるでしょう。