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大学や専門機関で栄養学を修め基礎知識はあるものの、実際に現場で栄養指導するとなるとまったく自信がない…そんな新人栄養士は意外に多いものです。栄養指導の現場で直面する矛盾や疑問について考察してみました。
勉強して獲得してきた知識は栄養士としてのベースになりますが、その知識がそのまま仕事で通用しない場合もあります。具体的にどのようなケースがあるのか、見ていきましょう。
もちろん栄養について知らない栄養士などいないのですが、大学や専門機関で学んだ栄養学や栄養指導の基礎知識に加え、より多くのことを学び、吸収し、且つ経験を糧にすることがよりよい栄養指導には求められます。
過去の記事になりますが、東洋経済ONLINEで紹介された記事(「栄養」について知らない「栄養士」が多すぎる)(※1)で医師が発信した記事が話題になりました。この記事では(栄養士の「常識」は古いことが多い)と断言されました。
これに対し批判的なコメントも多く寄せられていますが、栄養士という職業には「つねにアンテナを立てて専門的な知識を最新の情報にアップデートする」ことが重要です。
また栄養指導に苦手意識のある栄養士のなかには、「せっかく栄養指導を行ってもなかなか守ってくれなかったり、憂うつな顔をされてしまったりする」と自信を失ってしまう栄養士も少なくありません。
栄養指導を受ける側からすれば「これを食べてはいけない、あれは飲んではいけないと指導されるが、栄養士さんに指導されたことを守った食生活など無理」と拒絶反応が出てしまうことも多いのです。
栄養士は対象者の健康維持や未病予防、また慢性疾患の食事指導などの場合はこれ以上症状を悪化させないために栄養指導をしているのですが、意思の疎通ができていない状況で栄養指導を継続することは難しいといえます。結局栄養指導をする栄養士も、それを受ける側も互いにストレスを感じるだけになってしまう可能性もあるのです。
在宅訪問管理栄養士のしおじゅんさんが書いたコラムの中に、栄養指導を受ける側の「心の持ち方」のアドバイスについて書かれているものがあります。
『「栄養指導」が憂鬱な方へ』と題されたコラム(※2)には、しおじゅんさんが講師として訪れた「健康栄養教室」で参加者から受けた相談についてこのような見解を述べています。
まず、この栄養指導は誰のためのものであるのかということを考えてほしい、という点。さらになぜ栄養士に指導されたような食生活が送れないのか、正直にその気持ちをぶつけてみてはどうか、というもの。
指導を受ける側が「どうして実践できないのか」という理由や本音を栄養士にぶつければ、より実践しやすい食事方法を栄養士が提供してくれるはずだといいます。
そして重要なことは、「健康になっていくのは自分なのだ」という認識を栄養指導を受ける側が持つことだと説明しています。
重篤な慢性疾患の食事療法などは別として、未病予防のボーダーにいる人に対する健康指導の場合などは、まず頭ごなしに栄養指導を押し付けるのではなく、相手の気持ちを引き出しながら「まずはこれから実践してみましょうか」と相手に寄り添うような栄養指導ができれば理想的。
そうすればきっと少しずつ成果が実感できるようになって、栄養指導のありがたみを感じてくれるようになるはずです。
いまは優秀なベテラン栄養士の方でも、新人時代にはこのような経験をたくさんしています。栄養指導を繰り返すうちに、さまざまな引き出しをもった栄養士へと成長していくものなので、いまからあまり心配する必要はありません。
もしどうしても不安を感じるようであれば、栄養指導に関する研修制度やベテラン栄養士のアドバイスが受けられる会社に所属して、ご自身の栄養指導スキル向上を目指してみてはいかがでしょうか。